視点・解説
【そもそも解説】インフレって、いいこと? 景気や賃金との関係は?
内藤尚志
[PR]
幅広い商品が値上がりするインフレーション(インフレ)。政府と日本銀行は「2%」の安定した物価上昇を目標の一つに掲げています。私たちの暮らしにとって、インフレはよいことなのでしょうか。
Q インフレ=「好景気」なの?
A インフレは、多くのモノやサービスの値段が上がり続ける状態を指す。これに対し、「景気」は経済活動全般の勢いを表すものだ。物価が上がるだけでは、景気がよくなったと判断できない。インフレと好景気は、別のものだ。
ただ、景気がよくなると、消費者はサイフのひもをゆるめて買い物を増やし、企業は値上げをしやすくなる。そのため、好景気だとインフレが起きやすくなる。
一方で、景気が悪くてもインフレになることはある。原材料費や人件費といったコストがふくらみ、企業が値上げせざるを得なくなったときだ。景気の停滞とインフレが同時に進む現象は「スタグフレーション」と呼ばれ、1970年代の米国などで起きた。
Q インフレは経済成長につながる?
A 高市早苗首相はSNSでの投稿で「そもそも、経済成長には、一定の『物価上昇』が伴います」と記した。企業が商品の値段を上げられれば、利益が増える。その利益があれば、さらに社員の賃金を引き上げられる。商品の開発や工場の建設にも、もっとお金を使える。こうした流れが経済成長につながる、という考えだ。
経済成長は、国内の経済活動の規模を示すGDP(国内総生産)ではかることが多い。インフレが進んだ2022年以降、名目GDPも急拡大した。最新の暦年分の統計によると、21年から25年にかけて約16%増えた。
だが、実際の経済の実力は、物価変動分の影響をのぞいた実質GDPでみるのが一般的だ。こちらは約3%の増加にとどまっている。物価高で経済の規模がふくらんだが、実力が十分に伴っていないことがわかる。
Q インフレで賃金は増える?
A インフレだからといって…
この記事は
有料記事です。残り887文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事を書いた人
- 経済部
- 雇用・労働、企業統治(ガバナンス)、経済政策
関連トピック・ジャンル
ジャンル
