インタビュー
編集委員・若江雅子
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GMOインターネットが提供するFX(外国為替証拠金取引)関連のサービスが不正アクセスを受けた問題で、同社が政府に対して「能動的サイバー防御」の適用を要請したことが波紋を広げている。サイバー攻撃が相次ぐ中、政府はどんな対応に乗り出すべきなのか。サイバーセキュリティーに詳しい立命館大学の上原哲太郎教授に聞いた。
Q 能動的サイバー防御とは。
A 主に電気やガスなどの基幹インフラ事業者などを想定してつくられたサイバー防御の仕組みです。それらが次々と攻撃されれば国家の安全が損なわれ、経済が混乱する。だから国が乗り出す、という理屈です。法律上、守る対象は基幹インフラに限られていませんが、制度全体はそうした事態を念頭に置いています。
Q 能動的サイバー防御に関する法律のうち「無害化」などを定めた部分が今月施行されました。
A 無害化とは、警察と自衛隊が攻撃元のサーバーに侵入するなどして、攻撃できないようにする措置です。この無害化措置の要件は、法律上は「放置すれば人の生命や財産に重大な危害が生じるおそれがあり、緊急の必要がある場合」に限定されています。しかも、原則として独立した監理委員会の承認が必要です。
Q 簡単には適用できないのですね。
A 非常に慎重に判断することになっているのは、この制度が国家権力に大きな武器を与えることになるからです。攻撃元のサーバーに侵入して無害化する行為は、本来なら不正アクセス禁止法で禁じられる行為で、実行すれば巻き添えを食らう人も出ます。警察官の拳銃も、まず威嚇し、それでもだめなら足を狙う、といったルールで使い方が縛られています。同じように、この制度も権力が暴発しないよう二重三重のルールで縛っているのです。そんなに簡単に撃てる弾ではないということです。
Q 今回のGMOの事案は、適用される可能性があるのでしょうか。
A 発動要件を満たしていないように思えます。GMOのサービスは、制度が想定する基幹インフラでもありませんし、今のところ、GMOのサービスで成功した犯行の手口が他のサービスに広がっていく状況も見えていません。GMOという民間企業1社への攻撃が、国家安全保障上の危機とまで言えるかは疑問です。
Q GMOの熊谷社長はブログで、社内のホワイトハッカーから事前に改善すべき課題を指摘されていたのに対応が十分でなかったことを認めています。
A 攻撃者の言い分をうのみにするわけにはいきませんが、もし本当なら、今回のサービスでは、1人の利用者の仮想専用サーバーが乗っ取られたとき、ほかの利用者に広がらない仕組みになっていなかった可能性があります。つまり、利用者は鍵のかかる個室を借りたつもりでいたのに、実は全部屋の合鍵がある管理人室に簡単に侵入できた、あるいは部屋と部屋の間の壁が薄く、パンチしたら破れる状態だったかもしれないということです。仮想専用サーバーのつくりとして問題があった可能性について、検証が必要でしょう。
気になるのは、FXの自動取…
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