矢田文
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完全に海の中で暮らす両生類がいた――。中国の2億年以上前の地層で見つかった化石から、米カリフォルニア大などの研究チームがそんな報告をした。両生類には難しいとされてきた海への進出を、はるか昔に成し遂げていたようだ。
化石は2004年、中国・貴州省にある、約2億3700万年前の三畳紀の地層から見つかった。すでに絶滅した両生類の仲間「ゲロトラックス」の化石で、チームは今回、新種として「ゲロトラックス・マリティムス」と名付けた。マリティムスは「海の」という意味だ。
「意表を突かれた」
カリフォルニア大デービス校の藻谷(もたに)亮介教授(古生物学)は、中国の博物館に保管されていた化石を初めて見たときのことを、そう振り返る。
化石の見つかった貴州省は、三畳紀には海が広がっていた。化石が堆積(たいせき)していた場所は、大陸からは約200キロ、島があった可能性のある海域からも約30キロは離れていた。当時の水深は100メートルほどあった可能性があるという。
カエルやイモリ、サンショウウオなど、世界には8千種以上の両生類がいる。その中には、海水への耐性を持つ種はいるものの、陸上や淡水にまったく頼らず、完全に海で暮らす種は知られていない。ゲロトラックスの仲間の化石も、各地で見つかっているが淡水で暮らしていたと考えられてきた。
今回見つかったゲロトラックス・マリティムスの化石は、大きさが約74センチと約49センチの2個体で、指の骨まで良好な状態で残っていた。
チームが骨に含まれるストロンチウムの同位体比を調べると、当時の海水の値に非常に近いこともわかった。藻谷さんは「この化石の個体が遠くから流されてきたのではなく、当時海だったこの場所で暮らし、死んだことを強く示している」という。
のどの構造などから、海底で…
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この記事を書いた人
- くらし科学医療部|原子力・災害担当
- 生物多様性、環境、沖縄、依存症
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