インタビュー
警察の遠隔解析 情報取得「後」の統制を 「技術の権力」監視が必要
聞き手 編集委員・若江雅子
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犯罪に関与しているとみられる人物のスマホをハッキングし、犯罪予防に必要な情報を取得する「遠隔解析」。警察庁は今国会で実施に必要な法改正を目指す。被害防止に期待がかかる一方、見えにくい国家による監視が肥大化しないか懸念もある。技術を駆使した権力は、どう統制されるべきなのか。デジタル時代の人権に詳しい山本龍彦・慶応大教授に聞いた。
令状だけでは「サンドイッチ」の片側欠ける ブラックボックス化懸念
サイバー空間が複雑化し、犯罪などの脅威が不可視化する中、脅威が現実となる前に介入したいという狙いは理解できます。問題はそのような予防的介入を統制する仕組みが十分確立されていないことです。
まず令状主義との関係です。本来は既に起きた犯罪を捜査する警察活動の妥当性を、裁判官が事前に審査するのが原則です。「予防」目的では審査の基準があいまいになり、形だけのものになりかねません。
それ以上に気になるのが情報取得「後」の統制です。通常の捜査では、事前の令状と起訴後の公判でその適法性が2回確かめられます。遠隔解析の場合、基本的に事件化を前提としないため、公判で事後に適法性がチェックされることはなく、前後から挟む「サンドイッチ」の片側が欠ける可能性が出てきます。令状により事前に取得の妥当性が書面上チェックされても、実際の扱いがどうだったのかがブラックボックス化するおそれがあります。
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